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「日米共同声明」を巡る事前の攻防
 

  米国では今,「ニュースサイクル」が日々ドナルド・トランプ大統領によって変動すると言われている。その米国の首都ワシントンと金融の都ニューヨークに7泊9日で行ってきた。9月26日に行われた日米首脳会談の検証と,11月6日に控えた米中間選挙を前にした直近の政治情勢を取材するためだ。そもそも安倍晋三首相とトランプ大統領の2時間半余に及んだ23日夜の夕食会(ニューヨーク市5番街にあるトランプタワー)の設営そのものが難航したのだ。ホワイトハウス(WH)の国家安全保障会議(NSC)のM・ポッティンジャー・アジア上級部長が在米日本大使館に提示したのは26日の日米首脳会談だった。そしてそれを受けて杉山晋輔駐米大使が旧知の米政府高官を通じて調整に乗り出して夕食会の日時を確保できたのは安倍の出発2日前。実は綱渡りの日程調整だったのだ。次は,『日本経済新聞』(10月2日付朝刊)も「検証・日米首脳会談」でその一端を報じているが,首脳会談後に発表された「日米共同声明」を巡る事前協議の内実は同紙報道以上に遥かに厳しいものであった。具体的には,2回に及んだ茂木敏充経済再生相とR・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との熾烈なやり取りのことだ。第1回交渉は首相一行の宿泊ホテルのザ・キタノ・ニューヨークで25日夕に1時間半行われたが不調に終わった。もちろん事前に日米事務レベルでの折衝は日本側から梅本和義TPP政府対策本部首席交渉官,澁谷和久同交渉調整統括官,米側からJ・グリアーUSTR代表首席補佐官,M・ビーマン代表補佐官が出席して行われていた。それでも日米双方の主張の隔たりは大きかった。茂木に呼び出された杉山が同日夜8時頃,WHのスイッチボードの特定回線を通じてライトハイザーと連絡が取れて,首脳会談当日の午前10時45分からJETRO (日本貿易振興機構)ニューヨーク事務所での再会談がセットされた。(以下略)

      No.574 2018年10月10日号

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